今回は、沖縄でよく見かける石敢當の読み方と、置き場所やシーサーとの違いも紹介させていただきます。
本土とは違った文化がたくさんある沖縄県ですが、「石敢當」もその1つです。
街中を歩いているとシーサーをよく見かけると思いますが、家の壁などに「石敢當」と書かれた石があらゆるところに置かれています。
初めて見る方は、「何て読み方なんだろう?」と思う人がほとんどでしょう。
この記事ではそんな石敢當について詳しく説明していきます。
また効果のある置き場所やシーサーとの違いもお伝えしていきますので、最後までじっくりご覧ください。
沖縄にある石敢當の読み方は?
🌈僕のピック・コレクション 693枚目🧿
【石敢當(いしがんとう)】ピック
沖縄の道でよく見かける『石敢當』と書かれた石碑🌟
「マジムン」という魔物がいて、その魔物は真っすぐにしか進めないので、曲がり角などにぶつかると向いの家に入ってきます💦それを撃退してくれる魔除けらしいです🧿✨ pic.twitter.com/3XDW04pr8j— 🌺🌼しょう🌼🌺~ꕤ~ଯ~ꕤ~ (@MIp3z1B4WVAmhm8) June 14, 2021
沖縄独特の文化である石敢當について詳しく説明していきます。
石敢當とは
石敢當は「いしがんとう」と読むことが多いですが、「せっかんとう」とも呼ばれます。
沖縄で古くから信じられている魔物=マジムンをやっつける、魔除けの役割を果たす石碑です。
マジムンとは
マジムンとは沖縄に古くから伝わる魔物のことで、股をくぐられたものは死んでしまうという迷信があります。
種類はさまざまで、動物の身なりをしたものがほとんどですが、中にはしゃもじが悪霊化したものもあるそうです。
恐ろしい言い伝えですね。
マジムンには弱点があって、直線方向にしか進むことができず、道を曲がることができません。
そのためT字路やY字路にぶつかると曲がれないのでそのまま家に入ってきてしまうのです。
そんなマジムンから私達を守ってくれるのが石敢當になります。
名前の由来
様々な説がありますが、武士の名前から来ているという説が有力になります。
石敢當という武士が中国にいたらしく、とにかく強すぎて、人間はもちろん魔物ですらもやっつけてしまうほどだったらしいです。
石敢當を見ただけでマジムンが砕け散ってしまうそうです。
魔物とは思えない弱さですね(笑)
その誰も寄せ付けない強さから、石敢當と武士の名前を書いた札を壁などに張り付け、魔除けとして使用していたのです。
中国の「徐氏筆精(じょしひっせい)」という書物では、中国の五大十国の時代に実在した人物だったということが記載されています。
その書物のなかで石敢當という武士は、災いは全て福に変え、どんな災難もすべて防いだと言われています。
正にスーパーヒーローですね。
様々な漢字表記
【石敢當】
4パターン見つけたのでどうぞ。#沖縄一大きい石敢當#シーサー石敢當#石巌當#石巖當 pic.twitter.com/yWfFk5HgIw— 剣仁朗 KENJIRO (@makatyoke) October 18, 2020
石敢当、泰山石敢當、石敢東、石散當、石散堂、石厳當などたくさんありますが、沖縄県では「石敢當」が一番使われている漢字です。
私は生まれも育ちも沖縄ですが、正直「石敢當」以外の表記は見たことがありません。
歴史
石敢當は琉球王国時代から交流のある、中国の福建省から伝わった風習と言われています。
日本では、刻銘から建てられた時期が判明しているもので一番古い石敢當は、鹿児島県志布志市にある元和2年(1616年)の石敢當です。
400年以上前からあったとは驚きです。
琉球王国から日本へは、江戸時代には伝わっていたと言われています。
沖縄以外で石敢當がある地域
日本では鹿児島県で多く見られます。
薩摩諸島や奄美群島など、琉球王国の一部だった地域にあります。
また、沖縄県や鹿児島県以外にも沖縄県出身者が設置したものが多々あるようです。
T字路やY字路に石敢當がないととても不安な気持ちになるのです。
沖縄にある石敢當の置き場所やシーサーとの違いも紹介!
竹富島の石敢當(いしがんとう)
撮影日:2019-10-12#竹富島 #いしがんとう #石垣島 #石垣 #石敢當#トラベル pic.twitter.com/Ml7zAcSu09
— ⛩️シンリュウ🏯ロッキー⛩️ (@rockyto11) February 16, 2021
置く場所やシーサーとの違いも紹介していきます。
置く場所
石敢當は主に道端や石垣、または壁に設置されることが多いです。
最初の方に説明した通り、マジムンは曲がることが苦手で直進する事しかできないからです。
例えば、T字路やY字路をマジムンが通過する際は、そのまま直進するため壁にぶつかり家に入ってきますよね。
そうさせないために、マジムンがぶつかりそうな壁などに石敢當を置くのです。
しかし最近では、交通安全祈願として車庫の入り口や、見通しが悪い交差点に設置されることも多くなってきています。
シーサーとの違い
沖縄といえばシーサーを思い浮かべる人も多いはず。
沖縄では守り神とされている伝説の獣像です。
シーサーも魔除けとされていますが、設置場所と効果に少し違いがあります。
シーサーは主に入り口や屋根の上に置かれることが多く、石敢當は壁や石垣、道端に置かれます。
また、シーサーは魔物を追い払ってくれるだけではなく福も招いてくれます。
石敢當はやってきたマジムンをただひたすら蹴散らすのです。
その他の魔除け
沖縄には石敢當以外にも、いろいろな魔除けが存在します。
ススキの葉先を結んで作られる「サン」は、玄関の両脇に置くことによって魔物から家を守ります。
ヒンプンは、やなかじげーし(悪霊を追い返すもの、魔よけ)と聞いた事がある。
今だとドアを開けた時の目隠しや台風の強風でドアが開かなかったり、風に押され急に閉まり事故が起こらない様にする意味もあるのかな。
シーサー、石敢當、ヒンプンは沖縄の魔よけ pic.twitter.com/uc1cv0HcfV— 島風☆ (@shimakazi) August 15, 2020
「ヒンプン」は家の中が見えないようにする為の目隠しの役割で、魔物入ってくるのを防ぎます。
玄関先のスイジガイ
火災除けらしいです pic.twitter.com/yS9hHIo5h7— 随時 (@zuizi) February 4, 2019
このスイジガイもたまに見かける魔除けです。
水を連想させることから、火の用心としての役目もあります。
ちなみに沖縄ではくしゃみをしたら「クスケー」と言ってマジムンから魂を奪われないようにします。
「クスケー」というのは、「〇ソ食らえ」という意味です。
汚い言葉を言うとマジムンが傷付いて、魂を奪われずに済むのです。
沖縄にある石敢當の読み方は?置き場所やシーサーとの違いも紹介!のまとめ
今回は、沖縄でよく見かける石敢當の読み方と、置き場所やシーサーとの違いも紹介させていただきました。
沖縄には石敢當がたくさんありますが、表札みたいになっていることがあって家の苗字と間違える人も多いそうです。
変わった読み方の苗字が多いからなおさらですよね。
置き場所もT字路やY字路だけではなく、最近ではいろんなところに置かれています。
シーサーも同じ魔除けですが、追い払うだけでなく福も招いてくれるという違いがありましたね。
沖縄に遊びに行った際は、様々な種類の石敢當を見つけてみてください。
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